文例集

始末書の書き方

始末書の書き方
ビジネス文書場面: 不始末の報告更新日: 2026年3月27日
場面: 不始末の報告
関係性: 部下→上司

始末書とは

始末書とは、業務上の失敗・規則違反・事故などの不始末を起こした本人が、事実の経緯と反省・再発防止策を記載して提出する公式文書です。「顛末書」と混同されることがありますが、始末書は謝罪と反省が中心であるのに対し、顛末書は出来事の経緯説明が主目的という違いがあります。

始末書を求められた場合、速やかに誠実に対応することが信頼回復の第一歩です。言い訳より事実と反省を前面に出した文章を心がけましょう。

不始末の程度別:書き分けのポイント

始末書は不始末の内容によって求められる記述の深さが異なります。相手に伝わる謝罪文書にするために、以下の観点で書き分けを意識してください。

軽微なミス(書類の誤字・締め切りの遅延など)

軽微な不始末の場合は、事実の簡潔な説明と再発防止策の実行計画を簡潔にまとめます。長々と書かず、A4用紙1枚以内に収めることが一般的です。

例文:納期遅延の始末書

始 末 書

                              令和○年○月○日
                              ○○部 ○○課
                              氏名:田中 一郎

標題:○○プロジェクト 成果物提出遅延の件

このたびは、○月○日に提出期限を設けていただいておりました○○プロジェクトの報告書について、
期日より2日遅れてご提出してしまいました。

関係各位に多大なるご迷惑をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。

【原因】
複数案件の作業が重複し、優先度の管理が不十分でした。
事前に遅延の可能性をご報告できなかった点も重大な反省事項です。

【再発防止策】
・週次でタスク優先度を確認し、遅延リスクを早期に上長へ報告する
・作業開始時に完了見込みを明記したスケジュールを作成する

以後、このような事態が生じないよう細心の注意を払ってまいります。
誠に申し訳ございませんでした。

以上

中程度のミス(顧客トラブル・情報漏洩など)

顧客や社外への影響が生じた場合、影響範囲の明示と具体的な補償・対応状況の記述が必要です。反省の言葉だけでなく、既に取った対応策も盛り込みましょう。

例文:顧客へのメール誤送信の始末書

始 末 書

                              令和○年○月○日
                              ○○部 ○○課
                              氏名:鈴木 花子

標題:顧客宛メール誤送信の件

このたびは、○月○日○時頃、株式会社○○ 山田様宛にご送付すべき見積書を、
誤って別取引先である株式会社△△ 佐藤様へ送信してしまいました。
送信先の確認を怠ったことによる、私の不注意が原因です。

【発覚から現在までの対応】
・発覚後○分以内に山田様・佐藤様双方へ電話でお詫びし、メールの削除をお願いした
・佐藤様より削除完了の確認が取れた(○月○日○時)
・山田様へは改めて正しい見積書を再送し、謝罪文を添えた
・当該メールに個人情報・機密情報の記載がないことを確認済み

【再発防止策】
・送信前に「宛先・件名・添付ファイル」の三点確認を徹底する
・宛先候補が複数表示される場合は、必ず手入力で確認する手順を部内で共有する

このたびの不始末により、ご関係の皆様に多大なるご迷惑をおかけしましたことを
深く反省しております。重ねてお詫び申し上げます。

以上

重大な違反(ハラスメント・横領・重大事故など)

重大な違反が絡む場合、事実関係を正確に記述しつつ、誠実な姿勢を示すことが最重要です。自己弁護の記述は避け、会社の調査・指示に従う旨を明記します。

例文:社内規程違反の始末書

始 末 書

                              令和○年○月○日
                              ○○部 ○○課
                              氏名:山本 次郎

標題:社内規程違反(無断残業・経費不正申請)の件

このたびは、○月○日から○月○日にかけて、上長の事前承認を得ずに残業を行い、
かつ当該残業時間を経費申請に含めていたことが発覚いたしました。
これは会社の就業規則および経費規程に明確に違反する行為であり、
会社の信頼を著しく損なうものと認識しております。

【動機および経緯】
○○プロジェクトの締め切りが迫り、焦りから判断を誤りました。
承認を得れば残業できないと思い込み、手続きを怠ったことを深く反省しております。

【再発防止策】
・就業規則・経費規程を改めて精読し、手続きの理解を徹底する
・スケジュール管理を見直し、余裕を持った計画を立てる
・今後は必ず事前に上長の指示を仰ぐ

会社の調査・処分については、全面的に従う所存でございます。
この度は誠に申し訳ございませんでした。

以上

丁寧度の調整方法

始末書の文体は、提出先によって丁寧度を意識します。

提出先 文体の目安 ポイント
直属の上司 丁寧語中心 反省が伝わる誠実な文調
部長・役員 謙譲語を増やす 文書の形式美と謝罪の重さを整合させる
人事・コンプライアンス部門 正式な公用文スタイル 事実記述を正確に、感情表現は最低限

やってはいけないNG表現

始末書は謝罪・反省の文書です。読み手が不快になる表現を避けましょう。

NG例と改善ポイント

  • 「○○だと思っていた」 → 思い込みを強調するより「確認を怠った」と事実で書く
  • 「○○さんから指示を受けたため」 → 他者への責任転嫁はしない。自分の判断・行動に絞って書く
  • 「今後は気をつけます」のみ → 曖昧な決意では不十分。具体的な行動計画(いつ・何をする)を書く
  • 「このような失態を犯してしまい〜」など感情的な自責 → 謝罪は簡潔に。過度な自己否定は読みづらい

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